APG MAJOR CLADES (グループ名)の解 説         

 APGは、Angiosperm Phylogeny Group の略です。
 Aは被子植物、Pは系統発生、Gはグループ の意味を表します。
 APGとは、被子植物系統発生グループのことです。
 現在、日本で広く採用されている分類法は、エングラーによるものです。
 エングラーは、花の構造がかんたんなものから複雑なものへ進化したと考え分類しました。
 それに対して、クロンキストは、複雑なものからかんたんなものへ進化したと考えたようです。
 ダールグレンは、大きくなった科を細分化しました。
これらの分類法は、どれも、花のつくりを観察によって似たものとちがうものに分ける方法です。
 APGは、これらとはまったく異なる観点である、ゲノムの姉妹関係を調べて血統を決めていく、新しい方法です。
 いわば進化の枝分かれを表したものだといえましょう。ようするに、われわれ人間社会の家系図のようなものです。
 1998年にAPGが発表されてから、2003年に大幅な改訂が行われ、APGU 2003 として知られています。さらに2009年にAPGV、2016年にAPGWが発表され、現在に至っています。
 APGは新しい手法です。たくさんの植物のゲノムの系統に関する部分を比較して姉妹関係を追究しています。
 
被子植物   Angiosperms  アンジオスパームス
 花では、種子になる部分を胚珠といいますが、胚珠を包んでいるのが子房です。
 裸子植物には子房がなく、被子植物には子房があります。
 子房は胚珠を守るものだから、被子植物が、裸子植物から進化しただろうということは、だれにでも理解できます。
 被子植物とは、子房をもっている植物のことなのです。 
 
 f.01 被子植物 全体 angiosperms
 
基部被子植物   basal angiosperms  ベイサル アンジオスパームス     (Neitherr Monocot nor Dicot)
 被子植物のルーツを調べるために、DNAを調べることが盛んになってきました。
 遺伝子の共通部分を調べることによって、植物の姉妹関係を追求しているのです。
 ニューカレドニアの高山でアムボレラという植物が注目され、DNA解析によって、今のところ被子植物では世界最古であることがわかりました。
 しかし、すでに絶滅してしまった植物もあるはずです。そういう植物は、化石で調べるしかありません。
 大昔の植物の化石は、動物と異なり、残りにくいものです。
 最近、岩石をとかして、中の化石をとりだす方法が開発されて、続々と植物の化石が発見されています。
 アムボレラより古い被子植物が見つかるかも知れません。
basal angiosperms
 双子葉植物と単子葉植物の共通の祖先を基部被子植物、または原始的被子植物と呼ぶことにします。
 アムボレラ目、スイレン目、アウストロバイレヤ目3目があります。
 センリョウ目は基部被子植物から派生したが、基部被子植物にもモクレン類にも属さない独立した系統です。
 
 f.02 基部被子植物 basal angiosperms
 
モクレン類   magnoliids  マグノリイヅ
 基部被子植物の次に分岐したグループです。
 古い種族ですが、アムボレラなどと比較すると、後述の真双子葉植物により近いといえます。
しかし、それでもまだシュートの形態を強く残しています。
 すなわち茎にあたる花軸上に葉にあたる花被、おしべ、
めしべが、下から上に向かってらせん状についていることです。
 主なものにコショウ目、クスノキ目、カネラ目、モクレン目があります。
 原始的被子植物とモクレン類をあわせても、被子植物全体の、わずか3%しかありません。
 
 f.03 モクレン類 magnoliids
 
単子葉植物   monocots  モノコッツ
 系統樹でいうと、モクレン類は最初の枝になりますが、さらに進化が進み2本の幹ともいえる大きな枝に分岐します。
 1本は、双子葉植物の正統派であるより洗練された真双子葉植物で、もう1つはとんでもない進化が起こりました。
 種子が発芽するときに最初に出てくる葉を子葉といいますが、今までの植物は、胚珠の中に子葉を2枚もっていたのに1枚の子葉でサヤのように胚を包んでしまったものが現れたのです。
 子葉が1枚だからこのなかまを単子葉植物と名づけることにしました。ずいぶんと変わった子です。
 進化は、多かれ少なかれ突然変異が原因になるわけですが、これは極端な変異ということになりましょう。
 子葉が1枚だと何か都合のよいことがあったのでしょか。
 何もありません。偶然だったのでしょう。よいことがない代わりに悪いこともなかったから生き残ったのでしょう。
 単子葉植物は原始的被子植物から分岐した真双子葉植物と姉妹関係になります。そして、被子植物全体の22%を占めます。
 
 f.04 単子葉植物 monocots
    
初期の単子葉植物   early-diverging monocots Monocots  アーリィ ディヴァージング モノコッツ   
 子葉以外にもいろいろな変化が出てきました。
 幼根が退化し、不定根という、ヒゲ根になってしまいました。双子葉植物でもさし木のときに出てくる根と同じものです。
 さらに、やたらにたての葉脈が目だつのです。これが平行脈に進化していきます。
 初期の単子葉植物は、ショウブ目とヘラオモダカ目です。
 ヘラオモダカ目の中には、身近なサトイモ科がふくまれています。有名なミズバショウもこのなかまです。
 初期の単子葉植物であるサトイモ科のミズバショウは、4枚の花被と4本のおしべをもっています。
  花被やおしべの数が少なくなってきたけれど、まだはっきり数が決まっていたというわけでもないのです。
 
 f.05 初期の単子葉植物   early-divergingmonocots
 
3数性の確立  trimerous  トゥリマラス    core monocots 中核単子葉植物
 ところが、しだいに花被・おしべ・めしべ(心皮)の数が3の倍数になってくるのです。
 これを3数性といって、単子葉植物の大きな特徴となっていきます。中核単子葉植物は、この3数性が確立したものなのです。
 主なものは、次の通りです。
 ヤマノイモ目、タコノキ目、ユリ目、アスパラガス目(クサスギカズラ目)、つぎのツユクサ類もふくみます。
 
 f.06 中核単子葉植物   core monocots
 
大規模に整理されたユリ目     ユリ目  liliales   リリアレス 
 APGが発表される以前は、内花被も外花被も区別がつきにくく、3枚ずつでユリっぽく見えるものはユリ科とされていました。
 ところがAPGはユリ目を大規模に整理しました。
 ユリ目としての形質は
 ・ 葯は外向性
 ・ 子房上位
 ・ 花被に()がある 
 ・ 蜜腺は花被またはおしべの基部にある
 ・ 種皮に植物性メラニンがある
 これ以外はほとんどアスパラガス目に移行されました。 
 
 f.07 ユリ目   liliales
 
大きくなったアスパラガス目     アスパラガス目   asparagales   アスパラガレス
 大きかったユリ目から大量に移行されたアスパラガス目はユリ目と似ている点が多く、判断に迷うことがありがちです。
 目としての形質は
 ・ 子房上位、中位、下位、いろいろあります。
 ・ 蜜腺は心皮の切れ目にある
 ・ 内花被には斑点がない。
 
 f.08 アスパラガス目 asparagales
  
 f.09 ツルボラン科以降の細分化(亜科)
 
ツユクサ類   commelinoids  コムメリノイヅ
 白亜紀の中頃にアスパラガス目から突然変異によって新しい単子葉植物が誕生しました。
 それは、見かけは変わらないけれど、種子に大きな変化があったのです。
 今までの中核単子葉植物の胚乳はタンパク質や脂肪でした。
 しかし、新しい中核単子葉植物の胚乳は、デンプンだったのです。
 このことが、どうして重要なのでしょうか。
 種子は、子孫を残すための子供になるもとです。
 動物でいえば、卵のようなものです。
 卵には、こどもがよく育つために養分がつけられていますが、魚の卵とニワトリの卵を比べると、明らかに大きさがちがいます。
 しかし、からだになる胚の大きさには、大したちがいはありません。
 大きさのちがいは、養分の量によります。
 種子の胚乳は、子供がすくすく育つための養分です。
 植物の場合は、養分の量より質にちがいを生じました。
 動物のからだがタンパク質系なのに対して、植物のからだは炭水化物が多いのです。
 だから、胚乳がデンプンでできていることは、植物にとっては画期的なことだったのです。
 というわけで、ツユクサ類は単子葉植物を大きく二分する存在になるのです。
 したがって、ツユクサ類より前の単子葉植物を、とくに
Non Commelinoid monocots (ツユクサ類以外の単子葉植物)と呼ぶこともあります。
 ツユクサ類には風媒花のヤシ目、イネ目、虫媒花のツユクサ目、ショウガ目があります。
 
 f.10 ツユクサ類 commelinoids
 
ヤシ目   arecales  アレカレス
 ヤシ目が誕生したのは、今からおよそ12,000万年前 のことです。この数字は確実ではありません。今後の研究によっては、変更になる場合も大いに考えられます。
 ヤシ目にはダシポゴン科とヤシ科の2科があります。ダシポゴン科はオーストラリア南部の固有種で4つの属があります。
 ヤシ科は150〜235属(研究者による)にもなる大所帯なので、APGではこれらを5つの亜科に分けています。さらにそれぞれの亜科はいくつかの連に分かれます。
 1 アレカヤシ亜科    4 トウ亜科
 2 ケロクシロン亜科   5 ニッパヤシ亜科
 3 コリファ亜科  
 特徴ある外見はヤシ科特有のものです。
 ほとんど枝分かれしません。シュートの先端の分裂組織が大きく、一気に多くの葉を出します。葉柄(ようへい)はかたく(おうぎ)のようになっています。
 胚珠(はいしゅ)は1心皮(しんぴ)からなり、椰子の実に見られるように液果です。
 
 f.11 ヤシ目   arecales
 
イネ目   Poales  ポアレス
 イネ目は12の科をもちます。
 パイナップル科がイネ目に属することはあまり知られていません。
 パイナップル科は、根をもたず空気中の水分を葉から吸収する独特の進化をした風媒花です。
 有名なところでは、イネ目の中でもっとも古いとされるガマ科(旧ミクリ科を含む)やホシクサ科、畳表でおなじみのイグサ科、3数性の強いカヤツリグサ科、人類に多大な貢献をしているイネ科などがあります。
 
 f.12 イネ目 poales
  
カヤツリグサ科   Cyperaceae キペラケアエ
 カヤツリグサかはイグサ科から進化したものと考えられています。
 葉鞘はすべて完筒形(切れ目のない筒形)です。
 3数性が強く、茎の断面が三角形のものがほとんどで、めしべの柱頭も3本のものが多いです。
 イネ科と異なり人類に役立つものはあまりありません。
 
 f.13 カヤツリグサ科 Cyperaceae
 
単子葉植物 究極の進化 イネ科   Poaceae ポアケアエ
 植物に限らず最大の目的は子孫を残すことです。すなわちいかに効率よく種子を発芽させるかということなのです。
 発芽の確率を高めるためには、なるべく種子を多くつくらなければなりません。1個の花がたくさんの種子をつくると、1個あたりの種子の大きさは小さくなります。極端にいうと、粉のような種子になります。これでは胚乳に蓄える養分の量は非常に少なくなってしまいます。
 そこでイネ科の登場です。花の数を大幅に増やしたのです。イネ科ではたくさんの花を集合させたものを小穂と呼んでいます。この小穂がさらにたくさん集まって穂をつくります。花の数は増えますが、1個の花には1個しか種子ができないので、胚乳に充分な養分を蓄えることができます。
 私たちが口にするご飯の一粒一粒がこの胚乳なのです。
 動物でも同じようなことがいえます。魚の卵は、たらこで有名なタラは10万〜150万個も生むそうです。マンボウに至っては2億個以上になるそうです。1個あたりにつけられる養分の量はごくわずかです。それに対して鳥類はほんの数えるほどしか卵を産みません。だから、1個あたりにつく養分の量は非常に大きいということです。
 単子葉植物と姉妹関係にある真双子葉植物では、キク科が同じような進化を遂げています。
 変わったところで日本でおなじみの竹もイネ科のなかまです。滅多に花は咲きませんけれど。
 イネ科はトウツルモドキから進化したのではないかと考えられています。
 ツユクサ類の中ではヤシ目とイネ目が風媒花として栄えました。
 
 f.14 イネ科 poaceae
 
イチゴツナギ亜科   Pooideae ポオオイデアエ
 イネ科の中心的なイチゴツナギ属をかかえる亜科です。
 日本でイネ科と呼んでいる科はPoaceaeです。Poaはイチゴツナギ属だから本来はイチゴツナギ科というべきなのでしょうが、イネを主食としている我が国ではイネ科にしたいのでしょうね。
 ちなみに、コムギを主食としている欧米ではコムギ科とはしていません。ジャガイモを主食としているらしい国もありますから、ちょっとややこしくなるのでしょうか。
 中国ではイネ科を()本科( フゥーァ ペェン クゥーァ)というそうです。 
 
 f.15 イチゴツナギ亜科 pooideae
 
ツユクサ目   commelinales  コムメリナレス
 ツユクサ類の代表となる目でツユクサ科が基準(タイプ)となります。
 ツユクサ目とショウガ目の共通の形質は、多くの花が渦巻き状に配列されていることです。
 ツユクサ目の共有の形質は、菌根がないことです。
 菌根とは、「菌類が植物の根に侵入して形成する特有の構造を持った共生体」(Wikipedia)のことで多くの植物がふつうにもっているものです。
 それがないということは大きな特徴になります。
 マメ群で有名な根粒菌とは異なり、窒素固定を行いません。
 菌根は、肥料の吸収に役立ち、土壌による病気への抵抗力を増し、水分を吸収する力を高めるなどの機能があります。
 
 f.16 ツユクサ目 commelinales
 
ショウガ目   zingiberales  ジンジベラレス
 単子葉植物の中ではもっともおそく分岐しています。すなわちもっとも新しい種族といえるでしょう。虫媒花の単子葉植物ではもっとも進化しているといえそうです。
 ヤシ目やイネ目の単純な花の風媒花に対して非常に複雑なつくりの虫媒花になっています。
 茎は地下茎で地上に出る茎のように見えるものは葉鞘が幾重(いくえ)にも巻かれたもので偽茎とよばれています。
 葉脈は羽状で葉柄と主脈に空洞があります。
 花は左右相称で子房下位です。
 
 f.17 ショウガ目 zingiberales
 
真双子葉植物   Eudicots   ユーディコッツ
 真正(真性)双子葉植物とも呼ばれています。
 被子植物は、アムボレラ科から始まり、ついで、スイレン科などの基部被子植物に進化していくのですが、それらは、子葉が二枚あり、いちおう双子葉植物であるといえます。
 その後、被子植物の中に原始的な単子葉植物が生まれ、双子葉植物も、さらに進化して、今までとは異なった双子葉植物を生んでいます。
 それが真双子葉植物なのです。
 古い双子葉植物と真双子葉植物はどこがちがうのでしょうか。
 古い双子葉植物は、シュート(茎に葉がついた単位)のなごりをもっています。
 おしべやめしべは、茎に葉がつくような感じでついています。
 おしべ、めしべ、花冠、がくは一部の葉が変化したものです。この葉を花葉といいます。
 花被の数やつきかたに規則性がありません。
 受粉についても、古い双子葉植物の時代は蜜を分泌しない植物もあり、花粉等を食べる甲虫に頼るようなしくみでした。
 真双子葉植物は、花托の上に花被やおしべ・めしべがのる形になり、数やつきかたは、より少なく規則性があるように整理されてきました。
 単子葉植物とは姉妹関係になります。
 
 f.18 真双子葉植物 概要   eudicots
 
早期真双子葉植物   early-diverging eudicots  アーリィ ディヴァージング ユーディコッツ
 基部被子植物は、シュートの名残(なごり)が花に現れていました。
 花被やおしべの数が多く、不規則についていおり、めしべの数も複数のものが多くありました。
 花のそれぞれの器官がじゅうぶん発達していなかったのです。
 ところが、単子葉植物と同じように、双子葉植物も花被の数が整理されてきました。
 花被は、内花被5,外花被5と数が減少してきています。
 そして、がく片が花弁のようになっているものや、花弁とがくのちがいがはっきりしているもの、花弁が退化してないものなど、いろいろです。
 おしべは多数で数が決まっていません。
 おしべの葯も原始的で、側着葯かその一歩手前の形というところです。
 めしべは、数個から多数までいろいろです。
 ようするに、これから中核真双子葉植物へと進化していくわけですから、いろいろな要素をもっているのです。 
 主なものにキンポウゲ目とヤマモガシ目があります。
 キンポウゲ目の中には、ケシ科やアケビ科がふくまれています。
 スイレンとそっくりなハス科も早期真双子葉植物のヤマモガシ目です。
 
 f.19
早期真双子葉植物   early-diverging eudicots
 
中核真双子葉植物   Core eudicots  コア ユーディコッツ
 アムボレラ科から始まった被子植物は、スイレンからセンリョウやドクダミなど を経て、キンポウゲやアケビなどの早期真双子葉植物 (early-diverging eudicots) に進化してきました。
 早期真双子葉植物以降の真双子葉植物を中核(コア)真双子葉植物といいます。
 中核真双子葉植物までの花被は、がく片と花弁のはたらきが明確になっていませんでした。
 タデ科の中には、スイバのように、二重花被になってはいるものの、内花被と外花被の区別が、ほとんどないというものもあります。
 また、イヌタデ属のように、内花被が退化したものもあります。
 さらに進化が進むと、いよいよバラ上群 (superrosids)やキク上群 (superasterids) が登場します。
 中核真双子葉植物は、バラ上群、キク上群をふくめた名称であり、双子葉植物の大部分を占めています。
 バラ上群やキク上群に昇格できない初期の中核真双子葉植物には、グンネラ目、ビワモドキ目、などがあります。
 グンネラ目はグンネラ科とミロタムヌス科の2科からなるが日本には存在しません。
 ビワモドキ目はビワモドキ科だけの目になります。
 
 f.20 中核真双子葉植物 core eudicots
 
バラ上群   Superrosids スーパーロズィッヅ   
 バラ類にユキノシタ目を加えたものをバラ上群といいます。
 おしべのつきかたに着目します。
 おしべが外側から内側へとつくられていきます。むずかしくいうと、求心的に発生すると表現することができます。
 托葉があります。托葉というのは、葉のつけ根にある小さな葉のことです。本葉より大きくなるものもあり、ひげ状に姿を変えることもありなかなか変化に富むものです。
 
 f.21 バラ上群 superrosids
 
 f.22 ユキノシタ目 saxifragales
 
バラ類   Rosids ロズィッヅ   
 真バラ類にブドウ目を加えたのがバラ類です。
  ブドウ目、マメ群、アオイ群
 ブドウ目はブドウ科だけから成り立ちます。
 
真バラ類   Eurosids ユーロズィッヅ     
 進化を1本の木にたとえると、系統とは枝にあたります。
1本の(みき)から始まって、太い枝、細い枝と、だんだんに細かく分かれていきます。現在みられる植物は、先端(せんたん)の枝になるのです。
 真バラ類の系統には、進化の大きな枝が2つあります。
 2つの大きな枝をそれぞれマメ群、およびアオイ群、と呼ぶことにします。 
 
  
COMクレード          
 ニシキギ目 Celastrales、カタバミ目 Oxalidales、キントラノオ目 Malpighiales の3(もく)(かしら)文字をとってCOMクレードといいます。   クレードというのは分岐群のことです。
 APGWではマメ群とアオイ群のどちらに入れるか未確定です。 
 
 f.23 COMクレード COM
 
マメ群   fabids ファビッヅ   (真バラ群T EurosidsT ユーロズィッヅT)  
 マメ目、バラ目、ウリ目、ブナ目の4目があります。 
 これらは窒素固定クレードです。
 これらの植物の根には、ある微生物が粒状に固まってついています。
 これを根粒菌といい、土中の空気にある水に溶けない窒素を水に溶ける窒素肥料に合成するはたらきをしています。
 
 f.24 マメ群 fabidae
 
アオイ群   malvids マルヴィッヅ   (真バラ群U EurosidsU ユーロズィッヅU)  
 広義のアオイ群には フウロソウ目、フトモモ目、クロッソソマ目、アブラナ目、アオイ目、ムクロジ目、その他2目の8目があります。  狭義のアオイ群には、アブラナ目、アオイ目、ムクロジ目、他1目の4目です。 
 共有の形質についてはほとんどわかっていません。
 
 f.25 アオイ群 T malvidae T
 
 f.26 アオイ群 U malvidae U
 
キク上群   Superasterids スーパーアステリッヅ   
 ナデシコ目、ビャクダン目を加えたものをキク上群といいます。  おしべが遠心的に発生しています。内側から外側へ向かってつくられます。。
 
 f.27 キク上群 superasterids  
 
 f.28 ビャクダン目 santalales 
 
 f.29 ナデシコ目 caryophyllales 
 
キク類   Asterids アステリッヅ  
 真キク類にツツジ目、ミズキ目を加えたのがキク類です。  ツツジ目、ミズキ目、シソ類、キキョウ類
 
 f.30 キク類  euasterids
 
真キク類   Euasterids ユーアステリッヅ  
 真キク類の系統には、バラ類と同じように大きい枝が2つあります。  2つの大きな枝をそれぞれシソ類、およびキキョウ類と呼ぶことにします。
 
シソ類   lamiids ラミイッヅ   (真キク群T EuasteridsT ユーアステリッヅT)
 シソ類には、ガリア目、ムラサキ目、リンドウ目、ナス目、シソ目、他3目の計8目あります。  共有の形質についてはほとんどわかっていません。
 
 f.31 シソ類 lamiids
 
キキョウ類   campanulids カンパヌリッヅ   (真キク群U EuasteridsU ユーアステリッヅU)
 キキョウ類には、モチノキ目、キク目、セロリ目(セリ目)、マツムシソウ目、他3目、計7目があります。   共有の形質についてはほとんどわかっていません。   
 
 f.32 キキョウ類 campanulids







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