アスパラガス科の特徴                 

 

 かつてユリ科は大規模で単子葉植物の代表ともいえる存在でした。
 ところがAPG(1998年)が出現してから、大幅に整理されていきました。
 ユリ科の多くの属がアスパラガス科へ転科していきます。
 この科はキジカクシ科ともクサスギカズラ科ともいわれますが、このサイトではAPGのAsparagaceae をそのまま訳してアスパラガス科とします。
 アスパラガス科は7つの亜科から成り立ちますが、なじみのあるものはツルボ亜科、リュウゼツラン亜科、アスパラガス亜科、スズラン亜科の4つです。
【リュウゼツラン亜科】
 リュウゼツラン属 マンネンラン属 ドラセナ属
 ギボウシ属 センネンボク属 トックリラン属
 オモト属 オリヅルラン属
【ツルボ亜科】
 ツルボ属 ヒヤシンス属 ムスカリ属 オオアマナ属
【アスパラガス亜科】
 アスパラガス属
【スズラン亜科】
 スズラン属 ヤブラン属 ジャノヒゲ属
 マイヅルソウ属 アマドコロ属       

 

アスパラガス科共通の派生形質

・ 花被に斑点がない
・ 小さい花が多い。
 従来の分類は形質の共通点やちがいでなかま分けをしていましたが、APGの分類はDNAの類似点によるもので、形質ではなく系統を追究する、いわば家系図のようなものだから、派生形質は決めにくい。
 とくにアスパラガス科においては顕著です。亜科ごとの形質にちがいが多すぎ、まとめることは困難です。  
 単子葉植物としての特徴につぎの形質があります。
・ 花被が6枚。(内側3枚、外側3枚)【3数性】
・ 雄しべが6本。【3数性】
・ 葉脈は平行脈    ・ ひげ根 (不定根)

 

 子房の位置
 古い分類では、子房上位はユリ科、子房下位はアスパラガス科といわれてきましたが、アスパラガス科には上位も下位もあるので、子房の位置だけでは判断できません。  下の三種は花被の内側に子房が見えるので、子房の位置はすべて上位です。
アスパラガス マイヅルソウ ツルボ

 

 小さい花
アスパラガス オオアマナ マイヅルソウ

 

 花被に斑点がない
ツルボ オオアマナ マイヅルソウ

 

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