アヤメ科の特徴                 

 

 アヤメは単子葉植物の中でも豪華絢爛たる姿に進化してきました。目立たない内花被に比べ、外花被が派手になります。   めしべが花被のように変化したものが現れました。しかしニワゼキショウのように単純なものあります。

 

アヤメ科共通の派生形質

・上向きの花冠
・ おしべは3本
・ 子房下位
・ 2枚の苞葉
・ 単面葉
・ 葉のつき方は跨状(こじょう)
 単子葉植物としての特徴につぎの形質があります。
・ 花被が6枚。(内側3枚、外側3枚)【3数性】
・ 雄しべが3本または6本。【3数性】
・ 葉脈は平行脈
・ ひげ根 (不定根)

 

 花冠は上向き 
ヒオウギ シャガ キショウブ
 ほとんどが上を向いて咲きますが、ヒメヒオウギズイセンのように花序がたれ下がった影響で、横向きや下向きのものが多くなっています。
 それでも上に向こうとしているようすは何となく理解できます。
オオニワゼキショウ ヒメヒオウギズイセン

 

 おしべは3本に退化 
 オオニワゼキショウのおしべは花冠の中に3個の葯が見えます。
 花冠の中をたてから見るとおしべの全容を見ることができます。
 子房は花冠より下だから子房の位置は子房下位です。
オオニワゼキショウ オオニワゼキショウ
 ヒオウギのおしべも3本がはっきり確認できます。
 シャガなどアヤメ属のおしべは外花被と花被化した雌しべにはさまれているので、外花被を取り除かないと見ることはできません。
ヒオウギ シャガ

 

 2枚の苞葉 
 2枚の苞葉で花茎が包まれています。
キショウブ ニワゼキショウ

 

 単面葉 
 シャガの葉は、細長い1枚の葉が中央脈を谷にして内側に折りたたまれたものなのです。
 (おもて)は、内側にしまいこまれてしまいました。
 だから、表面に出ている面は、すべて(うら)なのです。
シャガ

 

 葉のつき方 
 跨状形といいます。跨は「またぐ」という文字です。
 外側の葉が茎や葉を挟みこむようについています。


 

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