タデ科の特徴 |
タデ科の分類は、図鑑によってだいぶ異なります。進化の上では古い科で、しかも大きい勢力なので、もう少し細かく分ける必要性が出てきたのです。 日本で見られるタデ科には、 Bistorta(ハルトラノオ属)、Fagopyrum(ソバ属)、Fallopia(ツルタデ属)、Oxyria(マルバギシギシ属)、Persicaria(イヌタデ属)、Pleuropteropyrum(オンタデ属)、Pleuropterus |
(ツルドクダミ属)、Polygonum(ミチヤナギ属)、Reynoutria(イタドリ属)、Antenoron(ミズヒキ属)、Rumex(ギシギシ属)これだけあります。 この中でも人類に役立っているものは、ソバ、タデアイ、紅タデの3種です。 タデアイは藍染めに使われます。紅タデはヤナギタデの変種で双葉を刺身のつまに利用されます。 |
タデ科共通の派生形質
・ 花弁は退化して消失。花弁に見えるのはがくです。 このような花を ・ 花被は4、5,6枚のものがある。 ・ 柱頭(めしべ)が3本が基本だが2本のものもある。 ・ おしべの数は4〜8本のものが多いようです。 |
・ 葉は ・ ・ 根生葉をもつものもある。 |
花序 (花の外観) |
花序は同じ属の中でもまちまちです。イヌタデやヤナギタデのように穂状花序(花柄のあるものは総状花序)、こんぺいとうのような形をした頭状花序風のもの、ギシギシ属は輪状につく円すい花序などがあります。 |
ヤナギタデ | サクラタデ | サデクサ | |
ママコノシリヌグイ | ミゾソバ | ソバ | |
イシミカワ | アレチギシギシ 雌株 | ナガバギシギシ 雌雄同株 |
スイバ 雄株 | スイバ 雌株 | イタドリ 雄株 | イタドリ 雌株 |
花被は4〜6枚 |
ミズヒキ 4枚 | サクラタデ 5枚 | ソバ 5枚 |
ソバの花を裏から撮影しました。イヌタデ属の花被は二重になっていません。花弁は退化して消失しました。花弁状に見えるのはがくなのです。もともと6枚だった花被は1枚消失して5枚になりました。 | ||
基部でつながっていても離弁花になります。合・離弁花は花弁についてであってがくは関係ありません。APGでは合弁花・離弁花の分類はしません。(重要視していません) | ||
スイバなどギシギシ属は |
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スイバ 雄株 6枚 |
ギシギシ属、雌花の花被 |
ギシギシの雌花 | 白いところの中には果実 | しおれた柱頭 |
、3枚の内花被片が大きくなって果実を包みます。 果実が大きくなるにしたがって内花被片のその部分は緑色から白色に変わっていきます。 黒線で囲んだ部分が1枚の花被片です。 |
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雌花初期 | スイバの雌花 |
めしべ |
ミズヒキ | ママコノシリヌグイ | ソバ |
ミズヒキの花柱は2本、他はほとんどが3本です。 花柱が3本が基本ですが、果実は三稜形(左の写真)になり、同じ種でも2本の場合はレンズ形の果実になります。 ギシギシ属の柱頭は房状になります。 |
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ナガバギシギシ | 三稜形の果実 (イヌタデ) |
おしべ |
イヌタデ属やミチヤナギ属は基本8本ですが何本か消失しているものも多いようです。 | ギシギシ属は6本。風媒花なのでたれ下がるようにつき、風にゆれて花粉が運ばれます。 |
イタドリ 8本 | ヤナギタデ 6本 | ソバ 8本 |
ヌカボタデ 5本 | ハイミチヤナギ 8本 | ナガバギシギシ 6本 |
托葉 |
イヌタデ | サクラタデ | ミズヒキ |
葉鞘の上部が広がって葉の形をした托葉もあります。 | ||
サデクサ | イシミカワ |
葉 |
サクラタデ | ソバ | サデクサ |
イヌタデ属はふつうサクラタデのような |
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ママコノシリヌグイ | イシミカワ | |
ハイミチヤナギ | イタドリ | スイバ |
スイバの葉の基部はやじり形になっており茎を抱きます。 根生用は葉柄が長い。 大形のギシギシのなかまは冬を越すために葉を放射状に広げ地面にへばりつきます。このような状態の葉をロゼットといいます。 |
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ギシギシ | アレチギシギシ |