第34回  イチゴツナギ連 イチゴツナギ亜連 @

最も身近なスズメノカタビラ
 ミゾイチゴツナギ
 学名 Poa acroleuca Stued.    イチゴツナギ亜科 イチゴツナギ連 イチゴツナギ亜連 イチゴツナギ属
 イネ科の中で Poa は、もっとも親しみやすいものでしょう。なにせ、世界に500種もあるのだから、身のまわりにもたくさんあることと思います。
 代表的なものが、スズメノカタビラです。ほかにミゾイチゴツナギ、ナガハグサなどがあります。
 
 イチゴツナギ属は、円すい花序です。
 円すい花序というのは、別れた枝のさきがそれぞれ総状花序になっているもののことをいいます。

 スズメノカタビラ
 学名  Poa annua L.   イチゴツナギ亜科 イチゴツナギ連 イチゴツナギ亜連 イチゴツナギ属
 スズメノカタビラは、暖地では、ほぼ一年中見られる草です。
 いかにも雑草という感じで、まっさきにむしられてしまいそうです。
 
 カタビラは漢字で帷子と書き、うすものの下着とか単衣(ひとえ)の着物のことをさします。
 以下は、Poaを代表して、スズメノカタビラについてくわしく調べることにします。
 
 ウシノケグサ属に比べ小花の数は少なく、3〜5個くらいです。
 第2包穎は第1包穎より大きく、3脈があります。
 
 大きな護穎は、半透明な膜質のへりが目立ちます。
 内穎は、護穎よりもかなり小さく、幅がせまいのが特徴です。
 基盤からは、もじゃもじゃの毛がでています。これは、イチゴツナギ属の大きな特徴になります。
 この毛を綴毛てつもうと呼んでいます。
 
 小穂(しょうすい)の中で小花(しょうか)と小花をつないでいるのが小軸(しょうじく)です。
 小花の()といってもいいでしょう。
 小軸をルーペで観察すると、左の写真のように見えます。
 白く光っているところが気になります。
 顕微鏡で観察すると、気孔であることがわかりました。
 
 気孔は、葉に最も多くありますが、葉以外にもあるのです。緑色をした茎にもあります。
 気孔のはたらきは、空気が出入りする窓のようなものです。
 
 イネ科のおしべの(やく)は、長短のちがいはあっても、どれも似かよったものです。
 イチゴツナギ属のおしべも、とくに変わったところはありません。
 写真は、開花前の葯です。
 2つの葯室は背中合わせになっていて、それぞれが外側に開きます。
 
 子房の両側には、りん()がはりついています。
 開花するとき、このりん皮が護穎(ごえい)と内穎を内側からおしあけるのです。
 子房には2本の花柱(かちゅう)が角のように出ています。
 花柱の先は房状の柱頭(ちゅうとう)になっています。
 子房は、成熟すると果実になります。
 
 果実は、胚乳(はいにゅう)が固まって米のようになります。
 果実のつけ根(基盤)にちぢれた綴毛(てつもう)が残っています。
 
 イチゴツナギ属の葉身(ようしん)は特徴があります。
 葉の先がボートのようになっているのです。
 何のためにこうなっているのかはわかりません。
 
 イネ科の植物の特徴を調べるには、葉身のつけねを見ることも必要です。
 葉は茎((かん))をだいていますが、観察のため、茎をぬきとってみます。
 白い部分を葉舌(ようぜつ)といいます。葉の(した)のように見えるからでしょう。
 葉舌にはいろいろなタイプがあります。
 スズメノカタビラの葉舌は、下部がひじょうに長いことがとくちょうです。
 葉身(ようしん)のへりには、少しだけトゲのようなものがついています。やわらかいから、さわってもわからないかもしれません。
 
 ナガハグサ
 学名  Poa pratensis L.   イチゴツナギ亜科 イチゴツナギ連 イチゴツナギ亜連 イチゴツナギ属
 ナガハグサは牧草として移入されました。
 ケンタッキー・ブルーグラスという名で親しまれています。
 また、発芽後の若い葉のようすが冬でも枯れず、青々しく美しいので西洋芝としても使われています。
 葉の先がボートのようになっていることは、イチゴツナギ属の特徴でもあります。
 
 円すい花序です。
 

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