第54回 最終回 カンナ科 クズウコン科

おしべが花弁に変身

 カンナ
 学名 Canna generalis Bailey  中核単子葉植物 ツユクサ類 ショウガ目 カンナ科 カンナ属
 カンナ科の祖先は、今からおよそ6,800万年前の誕生で、ゴクラクチョウカ科から分かれた可能性が高いようです。
 カンナは、日本では花壇に植えられる花ですが、大きいので、公園とか施設の花壇などに植えられることがほとんどです。ハナカンナと呼ばれています。
 
 
 赤い花のカンナです。
 
 黄色い花のカンナです。
 
 左の写真はカンナのつぼみです。
 ゴクラクチョウカやウコンと同じように苞葉(ほうよう)に包まれています。
 カンナは、十数個の花が次々と咲くので長く咲いているように感じます。
 
 左の写真は、開いた花をアップしたものです。
 初めてカンナを観察する人は、おしべとめしべをさがすことがなかなかできません。そこに秘密があるのです。
 とにかく、花をバラバラにしてみましょう。
 
 弁状のものを1枚1枚はがしていきます。
 一番目だつのは、左の写真に示したヘラ形のもので、同形のものは4枚あります。
 ところが、少し細いものが、もう1枚ありました。
 
 それには(やく)がついていたのです。
 これは、どういうことなのでしょう。
 葯がついているものといえばおしべですから、この花弁状のものは、おしべが弁化したということになるのです。
 したがって、かんなの花弁に見えていたものは、すべておしべの変身した姿だったのです。
 
 葯のついたおしべに重なるようになったヘラ状のめしべが見つかりました。
 めしべの色もおしべと同じ色です。
 ちょっと見ただけでは、なかなか発見できません。
 
 子房から細長く平べったい花柱(かちゅう)がのびています。
 
 柱頭(ちゅうとう)は先がざらざらしています。
 花粉を何とかとらえようという意気込みは感じられません。
 カンナの柱頭は、ほんらいの目的においては、さほど進化しているようには見えません。
 
 おしべとめしべは見つかりましたが、花被(かひ)はいったいどこにあるのでしょう。
 子房の位置は下位で、子房の上部から3枚の小片が出ています。これが外花被(がいかひ)なのです。
 さらにその内側には、長いヘラ状のものがあり、内花被ということになります。
 しろうと目には、とても花被には見えません。
 しかし、イルカのしっぽが後ろ足であるように、確かなことなのです。
 
 子房を輪切りにしました。
 単子葉植物共通の特徴である中軸(ちゅうじく)胎座(たいざ)が見られます。
 子房の中が3室になっているのがよくわかります。
 子房の外側は、たくさんの突起物でおおわれています。
 
   
 ミズカンナ
 学名 Thalia dealbata Fraser  中核単子葉植物 ツユクサ類 ショウガ目 クズウコン科 タリア属
 クズウコン科の植物は、クズのように根が肥大しデンプンをとることができます。
 日本では、葉の鑑賞用に通販で人気を得ている植物です。
  北アメリカ南部に自生しています。水生の植物で、ミズカンナの名前は、カンナの葉に似ているためのようです。
 7〜9月ごろに花をつけます。
 
 花は、ハナカンナほど大きくありません。
 やはり、花よりも葉の鑑賞でしょう。

     
 カラテア クロタリフェラ
 学名  Calathea crotalifera S.Wats.  中核単子葉植物 ツユクサ類 ショウガ目 クズウコン科 カラテア属
 カラテア属は観葉植物が多く、葉のいろいろな斑もようが美しい。
 クロタリフェラの葉は()もようはなく、ミズカンナの葉に似ています。
 花は、苞葉につつまれ、ウコンやオウムバナと基本的には同じです。
 ショウガ目の花や葉鞘(ようしょう)は、跨状(こじょう)につくものが多いようです。跨はまたぐという意味です。
 
 この花を見て、命名者であるアメリカの植物学者ワトソンは、赤ちゃんのガラガラを思いうかべたのでしょうか。
 学名の種小名 crotalifera の意味は、「ガラガラのある」 です。
 属名の Calathea は(かご)ですから、ガラガラのある籠ということになります。
 
 
 
 
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