ショカツサイ(オオアラセイトウ) |
真双子葉植物 アオイ群 アブラナ目 アブラナ科 ショカツサイ属 (APG分類体系) |
学名 Orychophragmus violaceus (L.) O. E. Schulz |
中学校の教科書には、オオアラセイトウという名前で出ていましたが、他の名前でよばれることも多いようです。 ・ショカツサイ 三国志で有名な諸葛公明が好んで植えたところから、こうよばれるようになったそうです。現在最も広く使われています。 ・ハナダイコン ダイコンはアブラナ科で、花を観賞するダイコンだからかな? ・ 紫色の菜の花だからですよ。 ・ 下記の山口氏の命名。 |
江戸時代に中国から渡ってきたようです。広まったのは昭和になってから、 この植物にはいろいろな名前があり、一時話題になったこともありましたが、昭和天皇の「すでに博士(牧野富太郎)によってオオアラセイトウという和名がつけられているのでそれでよいのでは・・・」と鶴の一声で「和名、オオアラセイトウ、別名、シヨカツサイに決まったそうです。 |
オオアラセイトウは、アブラナ科ですから、とうぜんアブラナに似ているはずです。 花序は、どちらも総状花序です。 |
花弁は、4枚が十字形についています。ダイコンのように90度の十字ではなく、小さい方の角度が80度くらいでしょうか。 花弁の形は、おたま形で、これもアブラナに似ています。 写真の花のおしべは、花粉が落ちて、もう終わりのころみたいです。 |
がくを見やすくするため、 花弁をとりのぞいてみました。 がく片は4枚ありあります。 がく片の形もアブラナにそっくりです。 |
おしべは、長いのが4本、2つずつならんでいます。 みじかいのは2本、写真では左右に見られます。 やくがそりかえっています。 めしべの柱頭は球形。 色以外は、アブラナにほんとうによく似ています。だから、紫花菜というんでしょうね。 |
おしべをマクロで撮影しました。 黄色い部分がやくで、白い部分が 下の2枚の写真は、デジタル顕微鏡(低倍率)で撮影したものです。 |
ウサギの耳のような形のやくですね。 2つのやく室がたてにさけて、花粉があふれ出ています。このようなさけ方をするやくを |
花糸が葯内にはいりこんでいます。このようなつきかたのやくを 葯と葯とにはさまれた部分は、 |
めしべです。ずいぶん長いですね。アブラナ科のめしべは、このように細長いものが多いようです。 左半分のふくらんだ部分が子房です。アブラナと同じように細いぼう状の果実になります。 |
めしべの柱頭です。 まわりにはすでにごはん粒がこびりついているように見えます。 白い(半とうめいな)つぶは花粉ですよ。 |
花粉をデジタル顕微鏡で撮影してみました。 フットボールの形をしています。 |
めしべが受粉すると、子房がふくらみ、やがて果実になります。 オオアラセイトウの果実は、左の写真のようにほそながく、水平、または、やや下にそります。 アブラナの果実は下の写真のように上を向きますから、これも大きなちがいですね。 |
この写真は、果実を輪切りにしたものです。 断面は四角で、四方の角がもりあがっています。中央のまるいところは、種子です。種子も、いっしょに切れてしまったようです。 |
ショカツサイのアブラナとちがうところは、がくが開かないことです。がくがたがいによせあって筒をつくります。花弁の基部も細くなっています。 この筒のそこに蜜腺があって、チョウのようにストローのような口をもったものでないとみつを吸うことはできません。 |
がく片と花弁を取りのぞいた画像です。おしべとおしべの間に少しもりあがったところがあります。ここに蜜腺(みつせん)があるのです。アブラナやカラシナに比べて、もりあがりが小さいようです。 写真では、蜜がたくさんあふれ出していますね。チョウにとっては何よりのごちそうです。 |
蜜腺のところを顕微鏡で撮影しました。 どこから蜜が出ているのか、はっきりとはわかりませんが、このあたりから出ているようです。 |
オオアラセイトウの葉は、アブラナとよく似ています。 中ほどから上部の葉は、きょ歯はありますが、切れこみがありません。 葉のつきかたは、茎を |
基部(下の方)の葉は、羽状に深く 茎は、花の色と同じように、むらさき色をしています。 |