花のつくり
シュート
花葉(かよう)
花茎(かけい)
花のつくり
花柄(かへい)
花托(かたく)
花床(かしょう)
花盤(かばん)
頭花:偽花(とうか:ぎか)包葉(ほうよう) 総包(そうほう)
雄しべ
雄しべの種類
葯
葯のつき方葯が花糸にどのようについているか? これにはいくつかのタイプがあります。
これ以外にもいろいろな形があります。
葯のさけ方
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花糸は、葯につながっています。 反対側は、どこにつながっているのでしょう。 おもしろいことに、必ずここにつながっているというわけではありません。 花弁のつけねについているものもあれば、花托から出ているものなどもあります。 花弁についているものは、花弁をとると、いっしょについてきますからわかります。 |
こんなのは、どう花糸ら
ヤセウツボ くねくね曲がっています |
オカトラノオ |
ムラサキケマン 下部が平べったいね |
めしべは、シュートの一番上の花葉が変化したものです。 めしべをつくる花葉をとくに めしべは、 柱頭で花粉を受けて、花粉の中の精細胞が子房の中の胚珠にある卵細胞ととけあって、新しい生命を誕生させます。 このことを受精といいます。 花柱は、精細胞の通り道です。 |
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新しい生命をもらった受精卵は、 胚をつつんだ 胚珠をつつんだ子房は、やがて果実とよばれるようになります。 |
新しい生命は、子房の中でつくられます。 子房の中には、胚珠を育てる部屋があります。 サヤエンドウを思いうかべてください。(右図) エンドウのさやは、じつは子房なんです。 さやを開いてみますと、葉のようになるでしょう? 花葉のへりに胚珠がついています。 エンドウは、このように1枚の葉が折りたたんで子房をつくっているのです。 |
子房の中で胚珠がつくところを
お母さんのおなかの中で、赤ちゃんがつくところを
心皮が輪のようになり、心皮のへりがつながったところに胎座をつくるものを側膜胎座といいます。 側膜胎座で心皮が3枚の場合、3枚がつながって1つの輪をつくりますから、部屋の数は1室で、胎座の数は3個になります。 つまり、側膜胎座の場合は、胎座の数は、心皮の数と同じになり、部屋数は、必ず1室になります。 エンドウのように1枚の花葉(1心皮)で1室つくるものを、とくに縁辺胎座といいます。 |
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ナズナ アブラナ科 |
ナズナなどアブラナ科は、2枚の心皮が右の図のように折れてつながったのです。 つながったところはかたいすじのようになりますが、葉の中央の葉脈ではなく、 あくまでも葉のへりになります。 ナズナの場合は、葉のへりが果実の中央になったのです。 |
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ムラサキケマン キケマン科 |
キケマン科の子房は、2心皮で1室をつくっているから、基本的にはアブラナ科と同じです。 果実の形もアブラナに似ています。 |
中軸胎座は、心皮が三つ折りになります。 三つ折りになった心皮の両はじが中央に集まって軸のようになり、そこが胎座になります。 心皮は2枚以上になり、胎座の数は、心皮の数と同じになります。 |
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カタバミ カタバミ科 |
上のシロツメクサなどマメ科の果実とにていますが、中央に軸の胎座があり、胚珠はそこにつながっていることがわかります。 | |||
オオアマナ ユリ科 |
ユリ科のオオアマナの果実を輪切りにしたものです。 3室になっているのがわかると思います。 3枚の心皮のへりが、中央に集まって胎座をつくっています。 |
特立中央胎座は、側膜胎座のように心皮の数に関係なく部屋数は1室ですが、 子房の底部が盛り上がって、球状あるいは柱状の胎座をつくります。 1室ですから、側膜胎座と同じように、部屋のさかいの壁はありませんね。 ナデシコ科とサクラソウ科だけに見られる胎座です。 |
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ノミノツヅリ ナデシコ科 |
ナデシコ科のノミノツヅリは、子房の底に胎座ができ、そこから糸状のものがのびて胚珠につながっています。 まるでキノコのシメジのようです。 |
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カワラナデシコ ナデシコ科 |
同じナデシコ科でも、ナデシコ属のカワラナデシコなどは、子房の底から胎座がもりあがって、まるで軸のようになります。 しかし、1室なので子房の中にしきりはありません。 |
子房が花のどの位置にあるかは、植物の特徴になります。 初期のころ、子房は、ただ花托の上にのっていただけでした。それが子房上位です。その後、子房を保護するため、しだいに花托が筒状になり、子房を包みこむようになりました。それが、子房下位です。花托が筒状にへこむ代わりに、がく片が互いにくっついて筒状になる場合もあります。 子房を保護するってどういうこと? 子房には、胚を育てるための栄養がたくわえられています。だから、虫にねらわれやすいのです。 下の図でいうと、上から下へと進化していきました。 |
子房上位 | 子房は、がく、花弁、雄しべと同じ高さにあります。 | ||
子房周位 | 筒状の花托の底に子房があるときをいいます。 | ||
子房中位 |
花托筒が皮のようになって、子房の半分にへばりついています。 |
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子房下位 | 子房は、完全に花托筒におおわれます。 |
子房は種子をつくるところですが、その前に花粉を受けなければなりません。 花粉を受けるために子房からつきだしているのが花柱です。 花柱の数は、植物によってまちまちです。 左の写真はソバのめしべです。ラッキョウのような形をした子房から3本の花柱が出ています。 子房から棒を出しただけでは、花粉を取り入れることはできません。 花柱の先が花粉をとらえるのに適したしくみをもつようになったのが柱頭です。 |
まず第一に、柱頭は、花粉をつかまえなければなりません。 そのためには、表面をザラザラにしたり、ベタベタにする必要があります。 また、花粉と接する面積を大きくするために、突起物(とっきぶつ)をつくるなどの工夫も必要でした。 第二に、つかまえた花粉から精細胞(オスの核)を取り出さなくてはなりません。 花がすぐれているのは、実にこの点なのです。 柱頭の突起物から糖をふくんだ粘液を出します。この糖液は花粉の溝(みぞ)などへこんでいる部分にしみこんでいきます。糖のはたらきは、花粉へのおさそいです。 気をよくした花粉は、精細胞を胚珠の卵細胞まではこぶために、特別な通り道をつくります。 それが、花粉管というトンネルなのです。 花粉管は花粉細胞の体液で満たされていますから、精細胞は、雨や露の水がなくても楽に卵細胞までたどり着くことができます。たいした発明ではないですか! 精細胞が卵細胞にゴールして、めでたく受精がおこなわれ、新しい生命が誕生するのです。 花柱の数は心皮の数と同じですから、その数の心皮が合成して雌しべになったことを示しています。 また、1本の花柱でも、先がさけていたり、柱頭が割れていたりすれば、それも、その数の心皮が合成されたことを示しています。しかし、必ずそうだというわけでもありません。例外もあるんです。 |
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ソバ (タデ科) 3本の花柱のうちの1本です。 最も単純な柱頭で表面積が小さい。 それでも花粉を1つとらえています。 それは、表面が粘液(ねんえき)でねばねばしているからです。 |
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イヌガラシ (アブラナ科) 2枚の心皮が合成してめしべをつくっています。 柱頭の表面をよく観察すると、かすかに2つに割れているのがわかると思いますよ。 表面に突起物(とっきぶつ)ができました。 これで、柱頭の表面積を大きくして、花粉と接しやすくしているんだ。 |
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ミズタマソウ (アカバナ科) ふつうアカバナ科の柱頭は、4つにさけています。 ミズタマソウ属の柱頭は、2つに割れています。 おしべも花弁もがくも2個であるから、ミズタマソウは2の花であるといえるでしょう。 カワラナデシコと同じように、こまかい突起物におおわれています。 |
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カワラナデシコ (ナデシコ科) 2本の花柱のうちの1本です。 柱頭の片側にこまかい突起物がたくさんついています。 これで表面積を大きくして、花粉をとらえやすくしています。 |
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ヒルガオ (ヒルガオ科) 柱頭が完全に2つにわかれています。 その1つ1つが小さなブロックになっていて、さらに、各ブロックは、ミズタマソウのようにこまかい突起物でできています。 かなり進化しているといえます。 |
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スズメノカタビラ (イネ科) 単子葉類の植物の中では究極(きゅうきょく)に進化したものです。 花柱が2本あり、それぞれにひげのような柱頭がついています。 1本1本のひげには、トゲのような短い枝がついています。 こうやって表面積を大きくし、風にはこばれてきた花粉をとらえるのです。 |
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ノゲシ (キク科) 双子葉類の中では、キク科が究極の進化をなしとげました。 1本の花柱が深く2つにさけ柱頭になり、じゅくしてくると大きく左右に開きます。 しかも、開く前、外側は受粉できないようになって自家受粉を防いでいるのです。 内側は、こまかいトゲのような毛でおおわれ、表面積を大きくしています。 |
変わった柱頭
ツルニチニチソウ (キョウチクトウ科) ほそ長いつつ型の花冠の底に蜜腺(みつせん)があります。 昆虫は、蜜を求めてせまいつつの中にもぐろうとします。 そのとちゅうに写真のような円盤形の柱頭があるのです。 しかも、とてもべたべたしています。すごいしくみですね。 |
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ゼニアオイ (アオイ科) ゼニアオイは、南国の花で有名なハイビスカスのなかまです。 おしべもめしべも変わっていますね。 キク科のおしべはやくが筒型になっていますが、アオイ科の方は、おしべの花糸が合成して筒型になっています。 その筒の中をめしべが通っていくのは、キク科もアオイ科も同じです。 キク科の柱頭が2つにさけて2個の柱頭になっているのに対して、アオイ科の花柱は多数にさけています。 |
そのほか、柱頭には、アヤメなど変わったものが少なくありません。
単花被花 |
花被が一重のもので、がくに相当します。まだ、花冠にまでは進化していなかった種なのです。 |
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両花被花 |
花被が二重以上のもので、外側のものを「がく」、内側のものを「花冠」といいます。(異花被花) |
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無花被花 | ドクダミのように、花被のない花のことです。 包や総包が花被の代わりをしていることがあります。 |
合弁花 |
アサガオのように花弁がつながった花をいいます。離弁花から進化しました。 |
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離弁花 |
サクラのように花弁が1枚1枚はなれている花をいいます。 |
花弁全体を花冠といいます。1枚1枚は、花弁といいます。 花の冠(かんむり)という意味ですから、花びら全体のことをいいます。植物の種類によって決まった形をしているので、検索のときの目安になります。 |
花冠には、大きく分けて左のような2種類があります。 |
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放射相称 |
左右相称 | ||
ろうと形 | 高盆形 | 車 形 | 釣り鐘形 | 筒状花 | つぼ形 | |
キク科のように頭状花序(頭花)では、中央が筒状花でまわりが舌状花になることもあります。 |
舌状花は |
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外花被全体をがくといいます。1枚1枚をがく片といいます。 がくは、花がつぼみのとき、内部を包んで保護します。 花が咲くと落ちてしまうもの(早落性のがく)と、残るもの(宿存性のがく)があります。 花冠と同じように、がくにも「合片がく」と「離片がく」とがあります。 がくが、まるで花弁とまちがえるほど美しいものもあります。チューリップやスイセン、ユリなどです。この場 合、がくと花弁を区別しにくいので、ふつうはどちらも花被といいます。 |
花の並び方や集まり状態をいいます。植物を検索(けんさく;どこに出ているか、何であるか、調べてさがすこと)するときの目安になります。2種類の花序が組み合わさっているときもあります。黄色い○は花葉(1つの花)を表します。 |
単生花序 | 穂状花序 | 総状花序 | 散房花序 | 散形花序 | 複散形花序 |
集散花序 | 2出集散花序 | 3出状複集散花序 | 円すい花序 | 円すい形花序 |
さそり状花序 | 陰頭花序 | 頭状花序 | 肉穂花序 |
植物でも動物でも生き物は、みな子孫を残そうとします。これは本能ですね。 @の「昆虫に運ばれる」ためには、昆虫にわかるように目立たなければなりません。昆虫が見つける目印になるように美しい花になる必要があるのです。また、昆虫に来てもらうためには、おいしいみつを用意したり、昆虫にとってみりょく的なにおいを出したり、あの手この手で昆虫を呼びこもうとします。 Aの「風にはこばれる」方は、@の条件は必要ありません。花粉症で有名なスギの花なんて、ぜんぜん目立ちません。 |